2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画ではなくマンガの話ですが、 花もて語れ 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL) 作者: 片山ユキオ 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/09/30 メディア: コミック 購入: 8人 クリック: 82回 この商品を含むブログ (58件) を見る 国語の教科書でみんな習った…

最近コンビニでマンガ立ち読んでいる人たちを目にしないようになったと思ってたら、マンガ雑誌ってここ数年急激に売り上げを落としているそうです。 そんなんですから、岡田和人氏の連載が載ってるヤングチャンピオンってどんな雑誌なのかあんまり見ることも…

2012年手塚治虫文化賞短編部門受賞作品です。 酒のほそ道 1 (ニチブンコミックス) 作者: ラズウェル細木 出版社/メーカー: 日本文芸社 発売日: 2012/10/13 メディア: Kindle版 購入: 1人 この商品を含むブログを見る このマンガ 私は繰り返して30回くらい読…

つい最近まであまり思うことのなかったテーマですが、最近気になってしょうがないことなので書いてみます。 私たちはドラマや映画に阿部寛とか木村拓哉が出てくると、「あっ阿部ちゃんだ」とか「またキムタクかよ」と認識して、結局よほどのことがない限り彼…

阿部寛がいくらドラマで人気者になったからと言って、彼は生身の人間ですから他に変わりがいません。 でも、アニメや漫画のキャラだった場合は、割と簡単に模倣出来て別の作者の作品にキャラが輪廻転生したりするものです。 輪廻というか増殖といった方がい…

今回は、マンガ家岡田和人について。 『教科書にないッ!』1995年から2002年まで『ヤングチャンピオン』に連載されていた作品です。 教科書にないッ! 1 (ヤングチャンピオン・コミックス) 作者: 岡田和人 出版社/メーカー: 秋田書店 発売日: 2013/02/22 メ…

子供のころ、物語が悲しい終わり方をすると何日もずっとその気持ちを引きずりました。 物語にいじめられた、うらぎられた、虐待された、独りぼっちだ、さびしい、そんな感じ方です。 しかし、だんだん年を取るに従い、そういう感受性はなくなるものです。 そ…

映画を見もせず、PC上で読んでるマンガをプロジェクターで100インチに拡大して読んでる。 更には一コマずつ分解して、スライドショーにして見てる。 更には、こまの順番並べ替えて見たりしてる。 岡田和人の『いびつ』について語れと言われれば、五時間ぶっ…

『いびつ』は、あらすじ的に語るなら、 幼いころ母親が蒸発した故に、女性に対する感情をこじらせた主人公・柿口啓吾は、生身の女体に反応できず、唯一の趣味がリアルな女体の人形作り。 そこに理想的な容姿の女子高生・森高円が現れ、彼の人形のモデルをひ…

岡田和人作品リスト 天使が来たりて頬たたく(『AKIRA』代理原稿、特別読み切り、週刊ヤングマガジン(講談社)1990年3月19日号No.14掲載) 教科書にないッ!(ヤングチャンピオン(秋田書店)ー2002年19号) 成仏しませぅ(コミックバーズ(スコラ、ソニー…

『ほっぷすてっぷじゃんぷッ!』と次の作品『すんドめ』では、いろいろ異なる点があります。それらは改善されたというべきなのかもしれませんが、 ほっぷすてっぷじゃんぷッ! コミック 全9巻完結 [マーケットプレイスコミックセット] 作者: 岡田和人 出版社/…

『いびつ』は、生身の女の子と人形の区別が曖昧であることにより初めて成り立つ繊細なバランス感覚の物語なのですが、 人形は人形なのですから、話したり笑ったりしてはアウトです。にもかかわらず、熱心な読者は、人形の無表情の中からも感情を嗅ぎとってし…

『すんドめ』はヒロイン・早華胡桃のキャラクター凝縮感が魅力の源泉だとすると、その次作『いびつ』の魅力は、実のところヒロインではなく、ヒーローの柿口啓吾のキャラクター凝縮感にあるのではないか?と、 『いびつ』を何度も繰り返し読むうちに思うよう…

格口啓吾が森高円が入浴のために脱衣中を覗く。 いきなり、この三枚のコマ見せられると、柿口さんの描き方の振り幅から、別の二人が彼女を見ているように錯覚しないでしょうか? わたくし、毎回毎回、『いびつ』を再読するときにテーマを決めて行うのですが…

昔、わたしは、杉並区阿佐ヶ谷に住んでいました。蚕糸の森公園というのが地下鉄の駅のそばにあって、その公園に隣接する小学校が室内プールを授業のない時間は一般人に開放していました。 そこにちょくちょく行って泳いでいました。懐かしいです。 そしてそ…

壊してバラバラにして、直してまた組み立てる。 岡田和人作品の面白いところ、たぶん一番面白いところは、彼の作品群に於けるプロット、キャラクター、台詞、舞台設定がまるでレゴブロックであるかのように分解・パーツ化され、それが次の作品群で再構成され…

嫌な見方をすれば、岡田作品は、 舞台設定の使いまわし、少ない資料の使いまわし、物語の使いまわし、台詞の使回し、 あふれ出るような才能とは無縁の作家、 そういう見方が可能なのかもしれませんが、 わたしからすると、これらの使いまわしによって、ほん…

『いびつ』ってマンガ、三分の一くらいは家の中の場面です。 そして、あんまり広くもない家が舞台なんですけど、 どうやら実在する家の3Dデータが使用されているらしく、非常にリアルであり、 また、家の個性つまり住んでいる人がどんな生活をしていたのか…

こんな感じになりましたが、一番の発見は、 柿口さんの枕の位置と円の枕の位置は、直線距離で四メートル程度。 夜な夜な円の部屋を訪れる柿口さん。 十歩程度の距離に過ぎません。 それに天井裏から円の部屋を覗こうとして天井踏み抜いたりしてましたから、 …

『いびつ』を毎日のように、というか、毎日繰り返して読んでいると、 今までマンガの何を読んでいたのだろうかなぁ?と不思議に思えてくる。 まあ、少女漫画ほとんど読んでこなかったからなんだろうけれども、 岡田和人で使われるスクリーントーン、過剰な柄…

きのう、アメリカ育ちのフランス人と『惡の華』を話題にした。 彼がフランス人とだからということで詩人のボードレールの話した、ということではなく、 ただ彼は、日本のアニメのファンで、趣味が聖地巡礼という、まあ、そのたぐいの人で、 その趣味が彼の仕…

このブログは、本来、 映画を見ることについて書いたものであり、画面の流れがどうだの、BGMがどうだの、コップの色と服の色がどうだの・・・ということに留意して画面を見ない限り、 本当のところは自分の心で補正されたものを見ているだけで、他人の撮った…

「失礼ですけど、お二人は親子ですよね。だって耳の形がまるっきり同じですから」 相席で向かいに座った若者と中年に向かってそう言ったら、親子であることを認めつつも、耳の形が同じだから親子だという指摘は初めて受けたと少々面食らっていた。 親爺の方…

同じ手法、同じポーズ、同じ台詞、同じ小道具、同じ展開、同じテーマ、 岡田和人と押見修造の作品を突き合わせると、いくらでもそんなのが出てきますが、 さすがに、『ぼくは麻里のなか』(押見修造作)の副主人公にはびっくりしました。 名前が柿口依だそう…

キャラクターを数人しか描き分けることのできない漫画家って結構いるじゃないですか。だいひょうてきなのがかわぐちかいじでしょうかな。 でも、キャラクターを数人分しか書き分けることができないのを逆手にとって物語に厚みを出すことに成功してる人って、…

マンガのキャラって、絵ですから、右から見た時と左から見た時で、かなり違っていたり、 このページとあのページで別の人のように見えてしまうこともあるのですが、 それでも、同じ人物だと読者に納得させるために、キャラは常に同じ服装に固定されていたり…

『血の轍』が結構怖い展開になってました。 もともと押見修造の初長編『デビルエクスタシー』って、女はみんな悪魔、って作品ですから、 佐伯さんの転生したキャラが母親として主人公の男の子を生き殺しにするってのはそんなに驚くこともないのかもしれませ…

対話とは、自分が何か言った時に相手が言い返してくれることで、 相手が生きていないものの場合対話は成り立たないはずです。 だから映画やマンガとの間に対話が成り立つと考えるのは本来おかしいはずなのですが、 二年間とか三年間かけて制作された映画やマ…

リアル世界で私たちは何百人何千人もの顔を覚え、区別する能力を持っているのですが、 マンガのキャラの場合だとそういうわけにもいきませんから、全部で10巻前後のマンガだと、主要登場キャラが20人超えるようだともうほとんど話が分からなくなってしまう。…

志乃ちゃんは自分の名前が言えない 作者: 押見修造 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2012/12/07 メディア: コミック クリック: 38回 この商品を含むブログ (27件) を見る 押見修造作品の楽しみ方って、 彼が吃音の傾向があってうまくしゃべれない分、人の…